「武士道とは死ぬことと見つけたり」、根本中将の生き方に人としての高みを見た思いがしました
そういうセリフが頭にこびりつくような、そんな本を読みました。
小林よしのり氏の「台湾論」にも1行だけ記述されていましたが、台湾に居残った大日本帝国軍人が戦争を手伝ったのか?くらいにしか感じませんでした。
ところが、この本を読むと全く違うことがわかります。
■根本中将は日本陸軍の元・北支那方面軍司令官だった
■自分は戦後1年くらい経って、無事に復員していた
■戦犯にもなっていない
ということで、静かな余生を送ろうとすればなにも問題のない余生になったはず。
でも、根本中将は本当に行けるのかどうかもわからないのに複数のところからの依願に呼応して渡台します。故障その他があってやっとたどり着いた台湾でも逮捕、拘留されてしまいますが、やっとのことで現地司令官、蒋介石に対面し、その目的を遂行するための地位に着きます。
根本軍事顧問が立てる作戦は的中し台湾=国府軍は金門島の戦いで勝利して、台湾を守ることに成功しました。
なぜ、悠々自適の生活を捨ててまで台湾に行ったのか?当時はGHQ統治下ですので、犯罪行為です。しかも戦地からやっと帰ってこれたのに、また自分からその戦地=死地に赴くとは正気の沙汰ではない。何が根本中将をそこまでさせたのか。
私はこの本を読んで、蒋介石および中国人への見方が少し変わりました。蒋介石と言えば日支事変で日本のことをないことないこと国際社会に訴えて支持を得、また日本と交戦状態ではないアメリカから空軍機をパイロットごと派遣してもらって防戦したり、上海で日本軍人を殺して局地戦から全面戦争に誘い込んだり、有名な援蒋ラインで連合国側から支援をしてもらったり、いわゆる「南京大虐殺」のでっち上げを欧米の子飼いのスパイに託して工作したり、あるいは台湾に渡ってからも228虐殺=白色テロで本省人を殺しまくった、大極悪人という印象しかありませんでした。
ところが、ここに書かれている蒋介石は義を重んじ恩を忘れない軍人、施政者ではないですか。いくら一面から見た印象とはいえ、人間とは見方によってこうも変わるのかと…。
ま、そこはおいておくとして、この本は是非読むべきです。指揮官=リーダーとしての心得、という読み方もできる本ですし、何よりも、恩を忘れないという人間としての生き方の本でもあります。
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