カニバリズム、少年時代?
大々的に売り出されている「ハンニバル・ライジング」ですが、トマス・ハリスの本が非常に好きな私としては速攻で買い、速攻で読みました。
一連のレクター博士の物語は、
レッド・ドラゴン
羊たちの沈黙
ハンニバル
と続いていましたので、てっきり時間的にハンニバルの後の話が来るのかと思っていましたが、意表をついてレクター博士がなぜあのような異常者になってしまったのか?と解き明かす物語になりました。
レッド・ドラゴンを除けば、このレクター博士の物語で私が一番好きなのは「料理」のシーンです。特にハンニバルの料理シーンはめっちゃ好きですねぇ。描写がいいんですよね、くっきりと頭に浮かぶくらい、精緻な描写ですからね♪
特にいろいろとかぎまわっていた刑事が料理されたシーンはよかったです。
で、この「ハンニバル・ライジング」もそのようなシーンを楽しみに読み始めたんですが、予想を裏切って、そういう描写はなかったですね。あくまでも私が期待するような描写は、ですが。
日本のことがたくさん出てくるのは少々違和感がありました。必然性がないように感じますし、日本のことを知らない外国の人がなんの説明もなく読んでも、ほとんど理解不能です。本当に意図がわかりません。日本限定の出版というのなら違和感はありませんし、逆にいい効果が出ていると思うんですが・・・。
あらすじは幼少時代にナチが攻めてきて隠れていたロッジで事故が原因で妹と二人きりになってしまい、そこに5人の悪役が登場・・・、妹がいなくなってしまい、その悪役を見つけて復讐をする、というもの。このあらすじから私は手塚治虫の「ブラック・ジャック」を思い出しました。あの漫画のひとつの流れに、やはり復讐がありますからね。一人一人見つけて、復讐していく。復讐したいその一心で、過酷なリハビリにも耐える黒男。
閑話休題
カニバリズムとの接点は、最初の殺人の際にコックから聞かされたある言葉ですね。
「どんなものも頬肉が一番うまい」
そこで食べてみたってぇのがレクター博士ですね。
うーん、でも、このライジングを読んだ感想としては、物足りない、その一言に尽きます。私だけかもしれませんが、ただのよく頭が回るハンサムな復讐者にしかみえません。次に出るとすれば、この話とレッド・ドラゴンの間の物語でしょうか?そっちが読みたいですね。例の刑事にどのように傷を負わせたのか?これまでの本では詳細が語られていない、いわば空白の時間を埋めてほしいなぁ。
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コメント
日本でも
胎盤を食う風習のあるとこありますよね?
でも胎盤はメチャうまいらしいです。
投稿: ぼぅ | 2007/04/09 23:56
こんばんわ^^
>ぼぅさん
胎盤を食べるのですか?初耳でした。
これからは珍重されるような気が・・・
暴言を覚悟で言えば、胎盤は排泄物?
摘出した盲腸を食べるようなもの?
不適切な表現ですいませn・・・ orz
投稿: ピア | 2007/04/10 00:05